吉野(よしの) Yoshino

吉野 by 写真AC

奈良県吉野郡吉野町、特に吉野川流域を中心とした一帯をいいます。

応神(おうじん)・雄略(ゆうりゃく)・斉明(さいめい)・天武(てんむ)持統(じとう)・文武(もんむ)・元正(げんしょう)・聖武(しょうむ)の各天皇が吉野に行幸されています。吉野の離宮(りきゅう)の場所がはっきりとはしてないのですが、最近の発掘調査などから「宮滝遺跡」がそうではないかと有力視されています。

宮滝遺跡碑(奈良市佐保の藤原さまご提供)

- Yoshino is the area around Yoshino-cho, Yoshino-gun, Nara, especially the Yoshino River basin. Since ancient times, many Emperors visited to Yoshino. The location of the Rikyu(Imperial Villa) in Yoshino isn't clear, but recent excavations have made it promising that the “Miyataki ruins” might be.

吉野(よしの)を詠んだ歌

0025: み吉野の耳我の嶺に時なくぞ雪は降りける.......(長歌)

0026: み吉野の耳我の山に時じくぞ雪は降るといふ.......(長歌)

0027: 淑き人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よ良き人よく見

0036: やすみしし我が大君のきこしめす天の下に国はしも.......(長歌)

0037: 見れど飽かぬ吉野の川の常滑の絶ゆることなくまたかへり見む

0052: やすみしし我ご大君高照らす日の皇子荒栲の.......(長歌)

0074: み吉野の山のあらしの寒けくにはたや今夜も我が独り寝む

0039: 山川も依りて仕ふる神ながらたぎつ河内に舟出せすかも

0113: み吉野の玉松が枝ははしきかも君が御言を持ちて通はく

0244: み吉野の三船の山に立つ雲の常にあらむと我が思はなくに

0313: み吉野の滝の白波知らねども語りし継げばいにしへ思ほゆ

0315: み吉野の吉野の宮は山からし貴くあらし.......(長歌)

0353: み吉野の高城の山に白雲は行きはばかりてたなびけり見ゆ

0375: 吉野なる菜摘の川の川淀に鴨ぞ鳴くなる山蔭にして

0429: 山の際ゆ出雲の子らは霧なれや吉野の山の嶺にたなびく

0430: 八雲さす出雲の子らが黒髪は吉野の川の沖になづさふ

0907: 瀧の上の三船の山に瑞枝さし繁に生ひたる.......(長歌)

0908: 年のはにかくも見てしかみ吉野の清き河内のたぎつ白波

0909: 山高み白木綿花におちたぎつ瀧の河内は見れど飽かぬかも

0910: 神からか見が欲しからむみ吉野の滝の河内は見れど飽かぬかも

0911: み吉野の秋津の川の万代に絶ゆることなくまたかへり見む

0912: 泊瀬女の造る木綿花み吉野の滝の水沫に咲きにけらずや

0913: 味凝りあやにともしく鳴る神の音のみ聞きし.......(長歌)

0921: 万代に見とも飽かめやみ吉野のたぎつ河内の大宮所

0922: 皆人の命も我れもみ吉野の滝の常磐の常ならぬかも

0923: やすみしし我ご大君の高知らす吉野の宮は.......(長歌)

0924: み吉野の象山の際の木末にはここだも騒く鳥の声かも

0926: やすみしし我ご大君はみ吉野の秋津の小野の.......(長歌)

0960: 隼人の瀬戸の巌も鮎走る吉野の瀧になほしかずけり

1005: やすみしし我が大君の見したまふ吉野の宮は.......(長歌)

1006: 神代より吉野の宮にあり通ひ高知らせるは山川をよみ

1103: 今しくは見めやと思ひしみ吉野の大川淀を今日見つるかも

1120: み吉野の青根が岳の蘿むしろ誰れか織りけむ経緯なしに

1130: 神さぶる岩根こごしきみ吉野の水分山を見れば悲しも

1131: 皆人の恋ふるみ吉野今日見ればうべも恋ひけり山川清み

1713: 滝の上の三船の山ゆ秋津辺に来鳴き渡るは誰れ呼子鳥

1714: 落ちたぎち流るる水の岩に触れ淀める淀に月の影見ゆ

1720: 馬並めてうち群れ越え来今日見つる吉野の川をいつかへり見む

2161: み吉野の岩もとさらず鳴くかはづうべも鳴きけり川をさやけみ

2837: み吉野の水隈が菅を編まなくに刈りのみ刈りて乱りてむとや

3065: み吉野の秋津の小野に刈る草の思ひ乱れて寝る夜しぞ多き

3230: みてぐらを奈良より出でて水蓼穂積に至り.......(長歌)

3232: 斧取りて丹生の桧山の木伐り来て筏に作り.......(長歌)

3233: み吉野の瀧もとどろに落つる白波留まりにし妹に見せまく欲しき白波

3291: み吉野の真木立つ山に青く生ふる山菅の根の.......(長歌)

3293: み吉野の御金が岳に間なくぞ雨は降るといふ.......(長歌)

3294: み雪降る吉野の岳に居る雲の外に見し子に恋ひわたるかも

3839: 我が背子が犢鼻にするつぶれ石の吉野の山に氷魚ぞ下がれる

4098: 高御座天の日継と天の下知らしめしける天皇の.......(長歌)

4099: いにしへを思ほすらしも我ご大君吉野の宮をあり通ひ見す

補足

更新日: 2019年08月25日(日)