原文

佐由利花 由利母相等 之多波布流 許己呂之奈久波 今日母倍米夜母

作者

大伴家持(おおとものやかもち)

よみ

さ百合花、後(ゆり)も逢はむと、下延(は)ふる、心しなくは、今日(けふ)も経(へ)めやも

意味

百合 by 写真AC

百合といえば、ゆり(あとで)。後で逢えると期待できなければ、今日という日を過ごせることなんかできません。

- rough meaning: Speaking of Yuri(Lily in Japanese), it's Yuri (Later in Japanese old language). If I can't expect to see my wife later, I can't spend today's day.

・天平感宝(てんぴょうかんぽう)元年(西暦749年)5月26日に詠んだ歌です。大伴家持(おおとものやかもち)が逢いたいと思っている方は、奈良の都に残してきた奥様、大伴坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおいらつめ)です。

補足

この歌を含む4113番歌の題詞には「庭中の花の歌一首[并(あわせ)て短歌]」とあります。また、この歌の左注には「同閏(うるう)五月廿六日大伴宿祢家持作る」とあります。

更新日: 2020年06月14日(日)