百合(ゆり) Yuri(Lily)

鉄砲百合 撮影(2015.08) by きょう

ユリ科ユリ属の多年草の百合(ゆり)です。大きい花が風に揺れ動くことからついた名だということです。山百合、鉄砲百合、透かし百合、鹿の子百合、鬼百合、姫百合など種類が多く、万葉集歌の中での特定は難しいと言われています。

- Yuri is a lily of the perennial grass of the genus Lilium. It means that it is the name attached from the big flower swaying in the wind(Yuri means waying in the wind in old language of Japan). There are many species such as Yama Yuri, Gun Yuri, Watermark Yuri, Shikan Yuri, Oni Yuri, Hime Yuri and so on, and it is said that it is difficult to identify them in Manyoshu.

百合(ゆり)を詠んだ歌

万葉集では大伴家持(おおとものやかもち)が百合の歌を四首詠んでいますが、すべて「さ百合」と詠んでいます。ここでの「さ」は接頭語で、特定の百合をしめす言葉ではないように思われます。

1257: 道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや

1500: 夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ

1503: 我妹子が家の垣内のさ百合花ゆりと言へるはいなと言ふに似る

2467: 道の辺の草深百合の後もと言ふ妹が命を我れ知らめやも

4086: 油火の光りに見ゆる吾がかづらさ百合の花の笑まはしきかも

4087: 灯火の光りに見ゆるさ百合花ゆりも逢はむと思ひそめてき

4088: さ百合花ゆりも逢はむと思へこそ今のまさかもうるはしみすれ

4113: 大君の遠の朝廷と任きたまふ官のまに.......(長歌)

4115: さ百合花ゆりも逢はむと下延ふる心しなくは今日も経めやも

4116: 大君の任きのまにまに取り持ちて.......(長歌)

4369: 筑波嶺のさ百合の花の夜床にも愛しけ妹ぞ昼も愛しけ

補足

更新日: 2020年06月10日(水)