原文
波流楊那宜 可豆良尓乎利志 烏梅能波奈 多礼可有可倍志 佐加豆岐能倍尓
作者
壱岐目村氏彼方(いきのさかんそんじのおちかた):壱岐の島の役人で村氏彼方という人です。
よみ
春柳(はるやなぎ) かづらに折(を)りし 梅の花 誰(た)れか浮かべし 酒坏(さかづき)の上(へ)に
意味
春柳(はるやなぎ)を髪飾りにしようと手折りました。梅の花は誰が浮かべたのでしょうか、酒坏(さかづき)の上に。
・「春柳(はるやなぎ)」は「かづら」を導く枕詞(まくらことば)として解する説もあります。
- rough meaning: I folded Haruyanagi(spring willow) by hand to ornament my hair. Who floated the Ume blossoms on the sake cup?
補足
・天平2年(西暦730年)正月13日に太宰府の帥(そち)大伴旅人(おおとものたびと)の邸宅で詠まれた梅花の歌三十二首のひとつです。