原文
毎時 弥米頭良之久 咲花乎 折毛不折毛 見良久之余志<母>
作者
よみ
時ごとに、いやめづらしく、咲く花を、折りも折らずも、見らくしよしも
意味
四季ごとにますますきれいに咲く花は、折っても折らなくても、見るのが良いものです。
補足
この歌は、「霍公鳥(ほととぎす)と時の花を詠む歌一首」の題詞のある4166番歌の「反歌」です。
この歌を含む4168番歌の左注には、「右、廿日(20日)、未(いま)だ時にいたらねども、興(きょう)に依りて預(あらかじ)め作る」とあり、天平勝宝2年(西暦751年)3月20日に詠まれたとされています。