原文
河上乃 列々椿 都良々々尓 雖見安可受 巨勢能春野者
作者
春日蔵首老(かすがのくらびとおゆ)
よみ
川上の つらつら椿(つばき) つらつらに 見れども飽かず 巨勢(こせ)の春野は
意味
川沿いに連なって咲いている椿(つばき)をよくよく眺めているけれど、巨勢(こせ)の春(はる)は飽きないことです。
・「巨勢(こせ)」は、現在の奈良県御所市古瀬あたりと考えられています。
- rough meaning: I'm looking closely at the camellias that are blooming along the river, and I never get tired of looking the spring of Kose(around Kose, Gose City, Nara Prefecture).
補足
・この歌を含む0054番歌の題詞には、「大寳(たいほう)元年(西暦701年)辛丑(かのとうし)の秋(あき)九月、太上天皇(おほきすめらみこと:持統天皇)の紀伊國(きのくに)に幸(いでま)しし時の歌」とあります。