菖蒲(あやめぐさ) Ayamegusa(Sweet Flag)

菖蒲(しょうぶ) by 写真AC

菖蒲(あやめぐさ)は、現在のショウブ科(以前はサトイモ科)ショウブ属の多年草の菖蒲(しょうぶ)とされています。菖蒲(しょうぶ)は、その独特の香りから邪気(じゃき)をはらうと考えられてきました。

・アヤメ科の菖蒲(あやめ)や花菖蒲(はなしょうぶ)とは異なります。ややこしいですね。ちなみに花屋さんなどでは、におい菖蒲、白菖(はくしょう)、葉菖蒲、香り菖蒲の名で売られています。

- "Ayamegusa" is considered to be the perennial sweet flag("Shoubu" in Japanese) of the genus Acorus in the current Acorus family. It have been thought that "Shobu" gets rid of the evil because of their unique scent.

菖蒲(あやめぐさ)を詠んだ歌

実に地味な花ですが、万葉集には12首に詠まれています。霍公鳥(ほととぎす)と一緒に詠み込まれている歌が多いですね。

0423: つのさはふ磐余の道を朝さらず.......(長歌)

1490: 霍公鳥待てど来鳴かず菖蒲草玉に貫く日をいまだ遠みか

1955: 霍公鳥いとふ時なしあやめぐさかづらにせむ日こゆ鳴き渡れ

4035: 霍公鳥いとふ時なしあやめぐさかづらにせむ日こゆ鳴き渡れ

4089: 高御座天の日継とすめろきの.......(長歌)

4101: 珠洲の海人の沖つ御神に.......(長歌)

4102: 白玉を包みて遣らばあやめぐさ花橘にあへも貫くがね

4116: 大君の任きのまにまに取り持ちて.......(長歌)

4166: 時ごとにいやめづらしく八千種に草木花咲き.......(長歌)

4175: 霍公鳥今来鳴きそむあやめぐさかづらくまでに離るる日あらめや

4177: 我が背子と手携はりて明けくれば.......(長歌)

4180: 春過ぎて夏来向へばあしひきの.......(長歌)

補足

1955番歌と4035番歌は同じ歌となっています。

更新日: 2022年05月01日(日)