原文
春裏之 樂終者 梅花 手折乎伎都追 遊尓可有
作者
よみ
春(はる)のうちの、楽しき終(をへ)は、梅の花、手折(たを)り招きつつ、遊ぶにあるべし
意味
春(はる)のうちのいちばんの楽しみは、梅の花を手折って(さらに)梅の花を迎えて(咲かせて)、楽しく遊ぶことです。
補足
この歌の題詞には、「筑紫(つくし)の大宰(だざい)の時の春苑梅歌(しゅんえんばいか)に追和する一首」とあり、左注には、「右の件(くだり)の一首、廿七日(天平勝宝二年(西暦750年)三月二十七日)興(きょう)に依りて作る。」とあります。
大伴旅人(おおとものたびと)が太宰の帥(そち:長官にあたる)として大宰府にいた天平二年(西暦730年)正月に開かれた宴で詠まれた「梅花の歌三十二首」(0815~0846番歌)に追和した歌です。
「追和歌」はすでに作られた歌に刺激を受けて他の人が和した歌のことです。