原文
紫草能 尓保敝類妹乎 尓苦久有者 人嬬故尓 吾戀目八方
作者
よみ
紫(むらさき)の、匂(にほ)へる妹(いも)を憎くあらば、人妻ゆゑに、我れ恋ひめやも
意味
紫(むらさき)のように美しい君。君を憎く思うのなら、人妻なのにどうしてこんなに想うものでしょうか。
・あかねさす紫野ゆき・・・と歌った額田王(ぬかたのおおきみ)への歌です。
- rough meaning: You are as beautiful as a violet bright. If I have a hateful feeling to you, why so am I thinking of you even though you are married? (answered to the previous poem)
歌の舞台となった蒲生野の地にある「船岡山 万葉の森」には、これらの歌の様子を描いた大きなレリーフがあります。
補足
・この歌の注には「日本書紀に曰く 天皇七年の夏五月五日に蒲生野(がもうの)で狩が行われました。このとき皇太弟(ひつぎのみこ:大海人皇子のこと)、諸王(おおきみたち)、内臣(うちのまえつきみ)及び群臣(まえつきみたち) 皆ことごとく従いました」とあります。