山斎(しま) Shima(Garden with pond and small hill)
漢詩文では、山間のひっそりとした住処(すみか)をいいます。万葉集に詠まれている山斎(しま)は池や小山のある庭園のことを言っているようです。
- In Chinese poetry, it refers to a quiet residence in the mountains. "Shima" which is written in Manyoshu, seems to refer to a garden with a pond and small hill.
山斎(しま)を詠んだ歌
第20巻には「山斎(しま)を眺めて詠んだ歌3首」があります。なお、第2巻の草壁皇子(くさかべのみこ)が亡くなったのを哀しんで詠んだ一連の歌に登場する「嶋の宮」の「嶋(しま)」も同じ庭園を意味しているようですが、今回ここでは省略させていただきます。
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0452: 妹としてふたり作りし我が山斎は木高く茂くなりにけるかも
0867: 君が行き日長くなりぬ奈良道なる山斎の木立も神さびにけり
1012: 春さればををりにををり鴬の鳴く我が山斎ぞやまず通はせ
4511: 鴛鴦の住む君がこの山斎今日見れば馬酔木の花も咲きにけるかも
4512: 池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな
4513: 礒影の見ゆる池水照るまでに咲ける馬酔木の散らまく惜しも