杜若(かきつばた)
杜若(かきつばた)はアヤメ科の花で、池や川辺の湿地に生え、紫や白の花をつけます。紫色の花でも、花弁の真ん中は白です。
杜若(かきつばた)を詠んだ歌
杜若(かきつばた)を詠んだ歌は、万葉集には7首あります。
1345: 常ならぬ人国山の秋津野のかきつはたをし夢に見しかも
1361: 住吉の浅沢小野のかきつはた衣に摺り付け着む日知らずも
1986: 我れのみやかく恋すらむかきつはた丹つらふ妹はいかにかあるらむ
2521: かきつはた丹つらふ君をいささめに思ひ出でつつ嘆きつるかも
2818: かきつはた佐紀沼の菅を笠に縫ひ着む日を待つに年ぞ経にける
3052: かきつはた左紀沢に生ふる菅の根の絶ゆとや君が見えぬこのころ
3921: かきつばた衣に摺り付け大夫の着襲ひ猟する月は来にけり
補足
昔から、「いずれアヤメか杜若」と言われますように、「あれっ、どっちかな?」ということもありますね。一応の見分け方を載せておきます。
種別 | 花の色 | 葉 | 花びらの付根 | 花の特徴と適地 | 開花期 |
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アヤメ | 紫、まれに白 | 主脈不明瞭 | 網目模様 | 外側の花びらに黄色の 模様がある。 かわいた所に育つ。 | 5月上旬 ~中旬 |
カキツバタ | 青紫のほか 紫・白・絞りなど | 主脈細小 | 網目なし | 水中の湿った所に育つ。 | 5月中旬 ~下旬 |
花菖蒲 | 赤紫・紫・絞り 覆輪など | 主脈太い | 網目なし | 花の色はいろいろある。 湿った所に育つ。 | 6月上旬 ~下旬 |