万葉集:明日香川を詠んだ歌

2006年06月11日(日)更新


明日香川は、高市郡高取山を源流として、稲淵山の西を通り、甘樫の丘、藤原宮の側を通って、大和川に流れています。その名の通り、明日香を流れる川ですね。

3544と3545の「あすか川」は、奈良の明日香川ではないという説もあります。


0194: 飛ぶ鳥の明日香の川の上つ瀬に生ふる玉藻は.......(長歌)

0196: 飛ぶ鳥の明日香の川の上つ瀬に石橋渡し.......(長歌)

0197: 明日香川しがらみ渡し塞かませば流るる水ものどにかあらまし

0198: 明日香川明日だに見むと思へやも我が大君の御名忘れせぬ

0325: 明日香河川淀さらず立つ霧の思ひ過ぐべき恋にあらなくに

0356: 今日もかも明日香の川の夕さらずかはづ鳴く瀬のさやけくあるらむ

0626: 君により言の繁きを故郷の明日香の川にみそぎしに行く

1126: 年月もいまだ経なくに明日香川瀬々ゆ渡しし石橋もなし

1366: 明日香川七瀬の淀に住む鳥も心あれこそ波立てざらめ

1379: 絶えず行く明日香の川の淀めらば故しもあるごと人の見まくに

1380: 明日香川瀬々に玉藻は生ひたれどしがらみあれば靡きあはなくに

1557: 明日香川行き廻る岡の秋萩は今日降る雨に散りか過ぎなむ

1878: 今行きて聞くものにもが明日香川春雨降りてたぎつ瀬の音を

2701: 明日香川明日も渡らむ石橋の遠き心は思ほえぬかも

2702: 明日香川水行きまさりいや日異に恋のまさらばありかつましじ

2713: 明日香川行く瀬を早み早けむと待つらむ妹をこの日暮らしつ

2859: 明日香川高川避かし越ゑ来しをまこと今夜は明けずも行かぬか

3227: 葦原の瑞穂の国に手向けすと天降りましけむ.......(長歌)

3266: 春されば花咲ををり秋づけば丹のほにもみつ.......(長歌)

3267: 明日香川瀬々の玉藻のうち靡き心は妹に寄りにけるかも

3544: あすか川下濁れるを知らずして背ななと二人さ寝て悔しも

3545: あすか川堰くと知りせばあまた夜も率寝て来ましを堰くと知りせば

4258: 明日香川川門を清み後れ居て恋ふれば都いや遠そきぬ


明日香 川を詠んだ歌