原文
比婆里安我流 波流弊等佐夜尓 奈理奴礼波 美夜古母美要受 可須美多奈妣久
作者
よみ
ひばり上がる 春(はる)へとさやに なりぬれば 都も見えず 霞(かすみ)たなびく
意味
ひばりが舞い上がる春(はる)になったのですね。霞(かすみ)がたなびいて都(奈良の都)の方もかすんでいます。
・「さやに」は「はっきりと」「あきらかに」、という意味です。
・天平勝宝七歳(西暦755年)3月3日に難波で催された宴席で詠まれた3首のうちのひとつです。
- rough meaning: It's spring when Hibari(Skylark) soars high in the sky. The direction of the Capital is hazy.(This is one of the three poems composed at the banquet held in Naniwa on March 3, 755 AD.)
補足
・この歌を含む4433番歌の題詞には、「三月三日、防人(さきもり)を檢校(けんこう:検閲すること)する勅使(ちょくし)并(ならび)に兵部(ひょうぶ)の使人(しじん)等と同(ひと)しく集ひて飲宴(いんえん)するに作る歌三首」とあります。