大伯皇女(おおくのひめみこ) Ooku-no-Himemiko(Princess Ooku)

イラスト by ひろさま

天武天皇(てんむてんのう)の皇女(ひめみこ)で、大津皇子(おおつのみこ)のお姉さんです。斎明7年(西暦661年)の百済救援のための旅の途中で、備前国大伯(おおく)で生まれました。天武2年(西暦673年)に13歳の時に伊勢斎宮となりました。朱鳥(あけみとり)元年(西暦686年)に天武天皇が亡くなり、直後に弟の大津皇子(おおつのみこ)が謀反の疑いで死を賜った後の11月に帰京しました。

- Princess Ooku is the princess of Emperor Tenmu, and is the elder sister of Prince Otsu. I was born in Ooku in Bizen Country, on the way to the relief of Baekje in 7th year of Saimei (661 AD). He became Isesaigu(the ancient imperial princesses serving at the Ise shrine) when he was 13 years old in the year of Tenmu (673 AD). After Emperor Tenmu died in the first year of the red bird (686 AD), his younger brother Prince Otsu died on suspicion of rebellionand, then she immediately returned to Miyako(Capital Fujiwara) in November.

[生没] 斉明7年(西暦661年)~ 大宝元年(西暦701年)

[家族] 父 : 天武天皇(てんむてんのう)
   母 : 大田皇女(おおたのひめみこ)

大伯皇女(おおくのひめみこ)が詠んだ歌

弟の大津皇子(おおつのみこ)を詠んだ歌が6首載っています。大津皇子(おおつのみこ)が謀反の疑いをかけられる事件直前に、大津皇子(おおつのみこ)は大伯皇女を伊勢を訪れました。この時に弟を思いやった歌と、大津皇子が自害させられた後に詠んだ歌名です。

[ 大津皇子がひそかに大伯皇女に会いに伊勢にきた時に詠んだ歌 ]

0105: 我が背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我れ立ち濡れし

0106: ふたり行けど行き過ぎかたき秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ

[ 大津皇子が亡くなったあと、大伯皇女が帰京の際に詠んだ歌 ]

0163: 神風の伊勢の国にもあらましを何しか来けむ君もあらなくに

0164: 見まく欲り我がする君もあらなくに何しか来けむ馬疲るるに

[ 大津皇子が二上山に移葬されたときに詠んだ歌 ]

0165: うつそみの人にある我れや明日よりは二上山を弟背と我が見む

0166: 磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りと言はなくに

更新日: 2020年08月09日(日)