奥山(おくやま) Okuyama(Secluded Mountain)
人が生活するうえで密接な関係にあった「里山(さとやま)」に対して、より人里離れていて人があまり立ち入らないような奥深い山を「奥山(おくやま)」といいます。奥山(おくやま)は神聖な場所とされていましたが、建築資源や生活資源の場としても利用されてきました。
- In contrast to "Satoyama" which people had a close relationship with in their daily lives, "Okuyama" refers to deep mountains that are more remote and rarely visited by people. "Okuyama" was considered a sacred place, but it was also used as a place for building and living resources.
奥山(おくやま)を詠んだ歌 Poems on Okuyama
「奥山の真木」と詠まれている歌が4首ありますが、この「真木(まき)」は檜(ひのき)などの立派な木のことを表しています。
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0299: 奥山の菅の葉しのぎ降る雪の消なば惜しけむ雨な降りそね
0379: ひさかたの天の原より生れ来る神の命奥山の.......(長歌)
0397: 奥山の岩本菅を根深めて結びし心忘れかねつも
0791: 奥山の岩蔭に生ふる菅の根のねもころ我れも相思はざれや
0962: 奥山の岩に苔生し畏くも問ひたまふかも思ひあへなくに
1010: 奥山の真木の葉しのぎ降る雪の降りは増すとも地に落ちめやも
1334: 奥山の岩に苔生し畏けど思ふ心をいかにかもせむ
1903: 我が背子に我が恋ふらくは奥山の馬酔木の花の今盛りなり
2098: 奥山に棲むといふ鹿の夕さらず妻どふ萩の散らまく惜しも
2519: 奥山の真木の板戸を押し開きしゑや出で来ね後は何せむ
2616: 奥山の真木の板戸を音早み妹があたりの霜の上に寝ぬ
2711: 奥山の木の葉隠りて行く水の音聞きしより常忘らえず
2761: 奥山の岩本菅の根深くも思ほゆるかも我が思ひ妻は
3467: 奥山の真木の板戸をとどとして我が開かむに入り来て寝さね
4152: 奥山の八つ峰の椿つばらかに今日は暮らさね大夫の伴
4476: 奥山のしきみが花の名のごとやしくしく君に恋ひわたりなむ