山野が多く、年間の降水量が多いため、日本には多くの川が流れています。また、欧米などと比べると、短い距離で高低差があり流れが急です。
万葉集には、川を詠んだ歌がたくさんあります。ここでは、具体的な名前のある川が詠まれている歌と、名前が記されていない歌をリストします。随時追加していきますので、よろしくお願いいたします。
※なお、地上の川ではなく「天の川」を詠んだ歌もありますが、それについては七夕を詠んだ歌を参照してください。
名のある川
名のない川を詠んだ歌
0022: 川の上のゆつ岩群に草生さず常にもがもな常処女にて
0039: 山川も依りて仕ふる神ながらたぎつ河内に舟出せすかも
0056: 川上のつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢の春野は
0116: 人言を繁み言痛みおのが世にいまだ渡らぬ朝川渡る
0218: 楽浪の志賀津の子らが罷り道の川瀬の道を見れば寂しも
0324: みもろの神なび山に五百枝さししじに生ひたる.......(長歌)
0425: 川風の寒き泊瀬を嘆きつつ君が歩くに似る人も逢へや
0437: 妹も我れも清みの川の川岸の妹が悔ゆべき心は持たじ
0475: かけまくもあやに畏し言はまくもゆゆしきかも.......(長歌)
0491: 川上のいつ藻の花のいつもいつも来ませ我が背子時じけめやも
0571: 月夜よし川の音清しいざここに行くも行かぬも遊びて行かむ
0601: 心ゆも我は思はずき山川も隔たらなくにかく恋ひむとは
0643: 世の中の女にしあらば我が渡る痛背の川を渡りかねめや
0687: うるはしと我が思ふ心速川の塞きに塞くともなほや崩えなむ
0761: 早川の瀬に居る鳥のよしをなみ思ひてありし我が子はもあはれ
1037: 今造る久迩の都は山川のさやけき見ればうべ知らすらし
1050: 現つ神我が大君の天の下八島の内に国はしも.......(長歌)
1052: 山高く川の瀬清し百代まで神しみゆかむ大宮所
1059: 三香の原久迩の都は山高み川の瀬清み.......(長歌)
1088: あしひきの山川の瀬の鳴るなへに弓月が岳に雲立ちわたる
1101: ぬばたまの夜さり来れば巻向の川音高しもあらしかも疾き
1106: かはづ鳴く清き川原を今日見てはいつか越え来て見つつ偲はむ
1110: ゆ種蒔くあらきの小田を求めむと足結ひ出で濡れぬこの川の瀬に
1113: この小川霧ぞ結べるたぎちゆく走井の上に言挙げせねども
1119: 行く川の過ぎにし人の手折らねばうらぶれ立てり三輪の桧原は
1122: 山の際に渡るあきさの行きて居むその川の瀬に波立つなゆめ
1191: 妹が門出入の川の瀬を早み我が馬つまづく家思ふらしも
1192: 白栲ににほふ真土の山川に我が馬なづむ家恋ふらしも
1252: 人こそばおほにも言はめ我がここだ偲ふ川原を標結ふなゆめ
1307: この川ゆ舟は行くべくありといへど渡り瀬ごとに守る人のありて
1315: 橘の島にし居れば川遠みさらさず縫ひし我が下衣
1383: 嘆きせば人知りぬべみ山川のたぎつ心を塞かへてあるかも
1384: 水隠りに息づきあまり早川の瀬には立つとも人に言はめやも
1385: 真鉋持ち弓削の川原の埋れ木のあらはるましじきことにあらなくに
1545: 織女の袖継ぐ宵の暁は川瀬の鶴は鳴かずともよし
1546: 妹がりと我が行く道の川しあればつくめ結ぶと夜ぞ更けにける
1587: あしひきの山の黄葉今夜もか浮かび行くらむ山川の瀬に
1751: 島山をい行き廻れる川沿ひの岡辺の道ゆ.......(長歌)
1849: 山の際の雪は消ずあるをみなぎらふ川の沿ひには萌えにけるかも
1931: 川の上のいつ藻の花のいつもいつも来ませ我が背子時じけめやも
2054: 風吹きて川波立ちぬ引き船に渡りも来ませ夜の更けぬ間に
2073: ま日長く川に向き立ちありし袖今夜巻かむと思はくがよさ
2161: み吉野の岩もとさらず鳴くかはづうべも鳴きけり川をさやけみ
2308: 雨降ればたぎつ山川岩に触れ君が砕かむ心は持たじ
2403: 玉くせの清き川原にみそぎして斎ふ命は妹がためこそ
2414: 恋ふること慰めかねて出でて行けば山を川をも知らず来にけり
2432: 言に出でて言はばゆゆしみ山川のたぎつ心を塞かへたりけり
2478: 秋柏潤和川辺の小竹の芽の人には忍び君に堪へなくに
2703: ま薦刈る大野川原の水隠りに恋ひ来し妹が紐解く我れは
2705: はしきやし逢はぬ君ゆゑいたづらにこの川の瀬に玉裳濡らしつ
2832: 山川に筌を伏せて守りもあへず年の八年を我がぬすまひし
2838: 川上に洗ふ若菜の流れ来て妹があたりの瀬にこそ寄らめ
2862: 山川の水陰に生ふる山菅のやまずも妹は思ほゆるかも
3016: 山川の瀧にまされる恋すとぞ人知りにける間なくし思へば
3017: あしひきの山川水の音に出でず人の子ゆゑに恋ひわたるかも
3234: やすみしし我ご大君高照らす日の御子の.......(長歌)
3303: 里人の我れに告ぐらく汝が恋ふるうつくし夫は.......(長歌)
33307: しかれこそ年の八年を切り髪のよち子を過ぎ.......(長歌)
3309: 物思はず道行く行くも青山を振り放け見れば.......(長歌)
3313: 川の瀬の石踏み渡りぬばたまの黒馬来る夜は常にあらぬかも
3335: 玉桙の道行く人はあしひきの山行き野行き.......(長歌)
3339: 玉桙の道に出で立ちあしひきの野行き山行き.......(長歌)
3405: 上つ毛野乎度の多杼里が川路にも子らは逢はなもひとりのみして
3440: この川に朝菜洗ふ子汝れも我れもよちをぞ持てるいで子給りに
3446: 妹なろが使ふ川津のささら荻葦と人言語りよらしも
3497: 川上の根白高萱あやにあやにさ寝さ寝てこそ言に出にしか
3546: 青柳の張らろ川門に汝を待つと清水は汲まず立ち処平すも
3618: 山川の清き川瀬に遊べども奈良の都は忘れかねつも
3619: 礒の間ゆたぎつ山川絶えずあらばまたも相見む秋かたまけて
3755: 愛しと我が思ふ妹を山川を中にへなりて安けくもなし
3764: 山川を中にへなりて遠くとも心を近く思ほせ我妹
3820: 夕づく日さすや川辺に作る屋の形をよろしみうべ寄そりけり
3828: 香塗れる塔にな寄りそ川隈の屎鮒食めるいたき女奴
3854: 痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻を捕ると川に流るな
3874: 射ゆ鹿を認ぐ川辺のにこ草の身の若かへにさ寝し子らはも
3953: 雁がねは使ひに来むと騒くらむ秋風寒みその川の上に
3964: 山川のそきへを遠みはしきよし妹を相見ずかくや嘆かむ
4011: 大君の遠の朝廷ぞみ雪降る越と名に追へる.......(長歌)
4061: 堀江より水脈引きしつつ御船さすしづ男の伴は川の瀬申せ
4062: 夏の夜は道たづたづし船に乗り川の瀬ごとに棹さし上れ
4094: 葦原の瑞穂の国を天下り知らしめしける.......(長歌)
4146: 夜ぐたちに寝覚めて居れば川瀬尋め心もしのに鳴く千鳥かも
4214: 天地の初めの時ゆうつそみの八十伴の男は.......(長歌)
4288: 川洲にも雪は降れれし宮の内に千鳥鳴くらし居む所なみ
4309: 秋風に靡く川辺のにこ草のにこよかにしも思ほゆるかも
4360: 皇祖の遠き御代にも押し照る難波の国に.......(長歌)
4465: 久方の天の門開き高千穂の岳に天降りし.......(長歌)
4468: うつせみは数なき身なり山川のさやけき見つつ道を尋ねな