万葉集Q&A

はじめて万葉集に触れる方のためのページ

まずは万葉集の大まかなことを知りましょう!

Q1: 万葉集って何ですか?

A1: 万葉集は、今からおよそ1200年以上も前の奈良時代にまとめられた、日本で一番古い歌集(和歌を集めた本)です。天皇や貴族、兵士、農民など、色々な身分の人たちが作った約4500首もの歌がおさめられています。

Q2: 誰が作ったんですか?

A2: 最後の編集は大伴家持(おおとものやかもち)という人物が行ったとされていますが、はっきりとはしていません。

Q3: いつ頃の歌が多いですか?

A3: 飛鳥時代(6世紀後半〜7世紀末)から奈良時代(8世紀)にかけての歌が中心です。特に奈良時代に作られた歌が多く収められています。

Q4: なんで「万葉集」っていう名前なんですか?

A4: 「万(よろず)の葉(ことのは/ことば)」、つまりたくさんの言葉や歌が収められているという意味や、「万の世(よ)」、つまりたくさんの時代にわたって歌が歌い継がれていくように、という願いが込められているなど、いくつか説があります。

Q5: どんな歌がおさめられていますか?

A5: 恋の歌、家族を思う歌、自然の美しさを歌った歌、旅の歌、社会への不満を歌った歌など、本当に様々なテーマの歌があります。当時の人々の暮らしや気持ちがよくわかります。

Q6: 万葉集の歌から、当時の日本の自然や季節についてどんなことがわかりますか?

A6: 万葉集には、四季折々の美しい自然(山、川、海、草花など)や様々な生き物(鳥、虫、鹿など)が歌われています。特に、春の、秋の紅葉など、季節の移り変わりを感じさせる歌がたくさんあり、当時の豊かな日本の自然が想像できます。

Q7: 歌はどんな文字で書かれているんですか?

A7: 当時はまだ日本独自の文字が十分に発達していなかったので、漢字を使って日本語の音を表す「万葉仮名(まんようがな)」で書かれています。

Q8: 万葉仮名って難しいですか?

A8: はい、現代の私たちにとっては少し難しいです。例えば、「山」を「夜麻」、「春」を「波流」と書くなど、同じ音でも色々な漢字が使われていて、読み解くのが大変なこともあります。

Q9: 有名な歌人(歌を詠んだ人)はいますか?

A9: はい、万葉集にはたくさんの歌人たちがいます。柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)は「歌聖(かしょう)」と呼ばれるほど優れた歌人で、情緒豊かな歌をたくさん残しました。他にも、額田王(ぬかたのおおきみ)山部赤人(やまべのあかひと)大伴旅人(おおとものたびと)などが有名です。

Q10: 柿本人麻呂の歌で有名なものはありますか?

A10: 「東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えて かへり見すれば月傾(かたぶき)ぬ」という歌はとても有名です。明け方の美しい情景を描いています。

Q11: 歌の形式は決まっていますか?

A11: はい、主に「短歌(たんか)」と「長歌(ちょうか)」があります。短歌は五七五七七の31文字の歌で、現代の短歌と同じ形です。長歌は五七の繰り返しで、最後に七がつく長い歌です。

Q12: 短歌と長歌以外にもありますか?

A12: はい、「旋頭歌(せどうか)」という五七七五七七の歌や、「仏足石歌(ぶっそくせきか)」という歌もありますが、短歌と長歌が圧倒的に多いです。

Q13: なんで万葉集がそんなに大切なんですか?

A13: 万葉集は、当時の日本の人々の考え方、感情、生活の様子を直接知ることができる貴重な資料だからです。また、美しい日本語の表現が豊かに使われており、日本の文学の原点とも言えます。

Q14: 万葉集の歌はどんな場面で詠まれましたか?

A14: 天皇が国を治める際に、政治的なメッセージとして詠んだり、恋人への気持ちを伝えたり、亡くなった人を偲んだり、旅の途中の感動を歌ったりと、日常生活の様々な場面で詠まれました。

Q15: 万葉集にはどんな恋の歌がありますか?

A15: 万葉集には、身分を問わず、様々な人々のストレートで情熱的な恋の歌がたくさんあります。再会を願う歌、会えない寂しさを歌う歌、遠距離恋愛の歌、時には禁断の恋の歌など、現代にも通じるような、人間味あふれる恋の気持ちが表現されています。

Q16: 万葉集からどんなことを学べますか?

A16: 当時の人々の喜びや悲しみ、自然への感動など、時代を超えて共感できる人間の普遍的な感情を知ることができます。また、美しい日本語の表現力も学ぶことができます。

Q17: 万葉集を通じて当時の人の気持ちってわかるのでしょうか?

A17: 昔の人も私たちと同じように悩み、喜び、感動していたんだな、と感じて親近感が湧いたり、豊かな自然の描写に心が癒されたり、色々な発見があると思います。

Q18: 万葉集が現代にどうつながっていますか?

A18: 平成の次の新しい元号「令和」は、万葉集の一節(歌の序文)からとられました。このように、万葉集は今でも日本の文化や人々の心に深く根付いています。

Q19: 「令和」の出典となった万葉集の歌はどんな内容ですか?

A19: 梅の花を愛でる宴の歌の序文で、「初春の令月にして、気淑く風和ぐ」という部分からとられています。「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味が込められています。

Q20: 万葉集ゆかりの地はありますか?

A20: 奈良県の明日香吉野など、歌に詠まれた場所が万葉集ゆかりの地として知られています。各地に「万葉歌碑」が建てられていることも多いです。

Q21: 万葉集に興味を持ったらどうしたらいいですか?

A21: まずは、好きな歌をいくつか見つけて、声に出して読んでみるのがおすすめです。現代語訳と一緒に解説されている本やサイトもたくさんあるので、それらも参考にしてみましょう。

Q22: 万葉集はどこで読めますか?

A22: 図書館や本屋さんで万葉集の現代語訳本が手に入ります。インターネット上でも、多くの万葉集の歌や解説が公開されていますよ。この「たのしい万葉集」サイトも見てくださいね。